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医療トピックス

2014年7月

夏はあせもにご用心

 夏真っ盛り、寝苦しい夜が続くと増える皮膚病にあせもがあります。汗をたくさんかいた後に、首や腕にできるブツブツ。ついつい掻いてしまってかき傷に…。誰でも一度は経験した事があるでしょう。実際、「子供にあせもができました」と来院する方も沢山います。皮膚科医としては、(診断する喜びが取られてしまった気がして)ちょっとだけ悔しいので「紅色汗疹ですね」などと恭しく言ってしまう瞬間でもあります。
 さて、あせもは正式には汗疹(かんしん)と呼びます。高温や発熱などにより汗をたくさんかいた時に、汗の出る管(汗管)の途中で汗が貯まってしまい発症します。貯まる部位により、浅い方から順に水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹の3つの型に分かれます。
 水晶様汗疹は、高熱などにより大量の汗を急激にかいたときにできる角質の間または角質の下にできる粟粒程度の小さな水ぶくれ(小水疱)で、指で擦ると簡単に破れてしまいます。熱が治まれば数日で消失します。
 紅色汗疹は、最もよく見られる汗疹で、水晶様汗疹より深い部分(表皮内)に閉塞が起きてできる赤い小さなブツブツです。汗をかきやすい肘や膝の内側、首、腋の下などによく見られ、頂点に小さな水ぶくれを伴うものや、閉塞した汗管から汗が漏れだすために周囲に赤みを持つものもあります。痒みが最も強いのはこのタイプです(写真)。
 深在性汗疹は特殊な汗疹で、より深い部分(表皮真皮境界部)で汗管が破壌して発症します。紅色汗疹に続発することが多く、むしろ蒼白色のブツブツが出現します。極端な高温環境下で出現し、熱射病の症状を伴うこともあります。

紅色汗疹と膿疱性汗疹・湿疹性汗疹
写真:紅色汗疹と膿疱性汗疹・湿疹性汗疹

 単位面積あたりの発汗量が多く、あせもができやすいお子さんでは、あせもからいろいろな皮膚病を引き起こすことがあります。あせもは、時間が経つと中心に膿ができ(膿疱性汗疹)、引っ掻くことで容易に湿疹化(汗疹性湿疹)します。また、乳幼児では細菌感染を併発しやすく、引っ掻き傷からとびひ(伝染性膿痂疹)を発症することもしばしば見られます。また、汗の孔自体に細菌が付着してオデキになったり(汗孔炎)、それが集まって“あせものより”(多発性汗腺膿瘍)になることもあります。たかがあせもですが、油断は禁物です。

 汗をかかなければ、あせもはできませんが、それは無理というものです。かいた汗が汗管の途中で貯まってしまうことが問題なのですから、かいた汗がきちんと出る様にしましょう。不潔にしていると汚れやアカが汗の孔を塞いでしまうので、シャワーなどで清潔を心がけて下さい。汗をかいた後にぬれたタオルで拭くことも効果的です。ベビーパウダーは、毛細管現象で汗を吸い出す効果も期待できますが、一度にたくさん使うと、汗で固まってしまい、かえって汗の孔を塞いでしまうため、注意が必要です。
 それでもあせもができてしまったら…、掻きこわしや細菌感染を併発する前に治しましょう。ステロイド外用剤が効果的です。ただし、年齢や部位、あせもの程度により、適切なものを選択する必要がありますので、まずはかかりつけ医にご相談ください。あせもは早いうちに治して楽しく夏をお過ごしください。

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