医療トピックス

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吐きくだしの初期対応

2018年12月

寒くなり冬の胃腸かぜ(ウイルス性急性胃腸炎)が流行る季節になりました。
近年は予防への意識が高まり、アルコール除菌の効果が低いこと、拭き取りや洗い流し(物理的な除去)が大切で消毒薬としては次亜塩素酸が有効であることが広く知られてきました。しかし注意していても胃腸かぜに罹ってしまうことはなかなか避け難いものですが、良かれと思った初期対応が逆効果で一層体調を崩して受診される方をよく見かけます。胃腸かぜの吐きくだし症状(嘔吐下痢症)は最初のボタンの掛け違いで大きく経過が変わりやすい症状ですが、予防に比べ意識が高まっていないようです。そこで、かかりつけ医師の診察を受けるまで初期症状の上手なやり過ごし方をご紹介しましょう。

もし吐き気を抑えきれずに吐いてしまったら、まず吐き気と嘔吐を上手にやり過ごしましょう。半日以上嘔吐を繰り返したり、ひどい水下痢が始まるまでは脱水症の心配は大きくありません。むしろ吐き気が十分治まる前に過度の水分を摂取して、飲んで吐いてを繰り返し半日程度で脱水症状に陥ってしまうのがよくある失敗です。

1~2時間はなかなか吐き気が抜けないのは通常の経過です。じっとしてやり過ごせそうなら、何も口にせずにやり過ごすのがうまいやりかたです。看病する方は「吐いた直後は吐きやすいモード。顔色が戻る頃合いを目安に30分は何も飲み食いさせない(口をゆすぐのはOK)」と覚えておくといいでしょう。

「水分は小さじ1杯(5ml)から開始して、飲めそうなら10~15分ごとに倍量を飲んでもよいが、吐いたらまた30分休憩。1時間あたりコップ1杯程度を目標に体格に応じて常識的な量で」と覚えておくと赤ちゃんから大人まで対応できます。仮に飲んで再嘔吐してしまっても、最小限の嘔吐でやり過ごすために少量頻回の飲水から始めるのがコツです。お腹が動き出すまでは冷たい飲み物でかまいませんし、脱水症ではないので飲みにくければ経口補水液の必要もありません。スポーツ飲料は消化の悪い糖分を含むものが多いので避けます。

お腹が動き出して嘔吐が治まってくると、下痢が始まります。運が良ければ下痢にいたらず回復することもあるでしょう。ひどければ水下痢になります。下痢がひどいときの食事は消化の良い糖質で下痢の様子を見ながら少量ずつとるのがコツです。そして本当に胃腸かぜで良いのか確認するためにも、よりはやく回復するためにも、かかりつけ医を受診して個々の状態に合ったアドバイスを受けましょう。

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