医療トピックス

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レイノー症

2017年1月

 気温が下がり始める11月頃になると、手足が冷えて指の色の悪さを感じる事がありませんか?蝋人形の様に白かったり、血色が悪そうな紫色だったり・・。
 「お買い物で支払をする時に手を出すのが嫌で、相手の方がけげんそうな顔をするから」、と言って気にされる方もいらっしゃいます。単に、寒くて血行が悪いために起きているのではなく、これからお話するレイノー症という、現象が出ているのかもしれません。

 レイノー症とはRaynaud(レイノー)が1862年に報告した現象です。
 寒さにさらされたり緊張したりすることで、手や足の指先の細い動脈が発作的に収縮し血液の流れが悪くなり、手足の指の皮膚の色が蒼白、暗紫になる現象です。
 典型的には、白(虚血:血の流れが少なくなる)→紫(チアノーゼ:血液中の酸素濃度が低くなる)→赤(再疎通:血の流れが戻る)の3相の変化を示します。2相以上の色の変化を認める場合に、レイノー症あり、と判断します。可逆的である事が絶対条件です。細動脈(直径100~200μm程度の細い動脈で、動脈から毛細血管に至る直前に存在する血管)レベルでの可逆性の血管攣縮(れんしゅく:血の流れの障害)によるものと言われます。従って、比較的、短時間に手指の色が劇的に変化し5~20分程度で消失します。
 冷感、シビレ感、痛みを伴うこともあります。レイノー症状がひどくなると指先などに皮膚潰瘍(かいよう)を起こすこともあります。

 レイノー症状を引き起こす病気として、原因が明らかでないレイノー病と他の疾患に伴って起こるレイノー症候群に分けられます。
 生活上で気をつける事は、冷たい水を使わない、外出時には手袋をつけてカイロを手放さないなど手足の保温に努めましょう。日頃から寒冷にさらされないよう心がけて、極端な疲労やストレスを避けることも大切です。
 治療は、原因疾患がある場合にはその疾患の治療が第一です。レイノー症状に対する治療としては末梢血管の収縮や血小板の凝集を抑制する飲み薬である、血管拡張薬やプロスタグランジン製剤(内服、軟膏、注射)などがあります。
 この冬、思い当たる症状があれば、放っておかずに是非、近くのかかりつけ医にご相談ください。

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