医療トピックス
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ペインクリニックって何するところ?
2016年12月
最近テレビ・雑誌等で目にすることの多くなってきた「ペインクリニック」。いったい何をしてくれる医療機関なのかわからないと思われる方も多いと思います。ペインクリニックの「ペイン」とは、英語で「痛み」という意味です。「クリニック」は診療所を意味するので、「ペインクリニック」とは「痛みを治療する専門の診療所」のことです。いろいろな病気によって起こる痛みやしびれ、癌の痛み等を診断・治療していきます。
病名がわかっているのに長く続く痛みやしびれ、または原因がわからず突然の痛みや神経の失調が起こる。このような症状を総合的に診断・治療する診療科です。ペインクリニツクでは頭痛、肩こり、五十肩、膝痛、腰痛、坐骨神経痛、顔面神経麻庫、帯状庖疹、三叉神経痛等さまざまな病気の診察・治療をします。
痛みやしびれ等の症状を良くするためにはいろいろな治療方法があります。内服薬(鎮痛薬・オビオィド鎮痛薬・抗精神薬・漢方等)、理学療法、ブロック治療などです。中でも特徴的な治療がブロック治療です。みなさんは「ブロック」と聞かれてどのようなイメージをもたれるでしょうか?「痛そう」「肺い」「一時的」等々でしょうか。確かにすべて当たっていると思います。ブロックは一般には針を刺すので痛くないブロックはありません。また、針を刺すので怖くない人はいないと思います。そして、局所麻酔薬を使うので一時的というのも正解です。それにもかかわらず、そのような一時的治療が認められ更には保健適応でもあるのはなぜでしょうか。実は局所麻酔薬には血管を拡張させて血流を改善し痛みを発生させる発痛物質を洗い流す作用があるからです。魔法の注射ではないので1回の注射で全ての症状を改善することは少ないですが20人に1人くらいは改善する人もいます。一般的には4回~5回治療を行います。ブロックと言っても50種類以上あり、神経に直接針を当てるものから皮膚に数ミリ針を刺して行うものまで様々な種類があります。同じ病気でも同じブロックが効くとは限りません。患者さんの症状・状態に応じて適切な治療を行っていくのがペインクリニックです。
痛みにはいろいろな原因があります。身体のどこかに明らかな問題が隠れていて生じる場合もありますが神経・筋肉からくるもの、ストレスからくるもの等々いろいろあります。「我慢は美徳」という言葉がありますが痛みに関しては全く当てはまりません。少しの痛みでも仕事や日常生活に支障をきたしてきます。
原因をはっきりさせ、それに対し治療を行い、痛みのない状態にすることが大切です。最近の研究では癌患者さんで疼痛のある人にはまず疼痛治療を行うことで余命が延びたとの報告もあります。
全国的にみて、ペインクリニックはまだまだ数が少ないですが比較的多く都内にはあります。痛み・しびれでお悩みの方は是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?