医療トピックス

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子供の5月病?

2016年5月

 毎年、ゴールデンウィーク明けや秋の連休明けの時期に朝起きられない、頭痛、腹痛で学校を休むと午後から調子が良くなる日が続く子どもが増えます。
 季節柄、気温差が大きく意外に風邪をひきやすいこともありますが、学校が休みの間に生活が不規則となり睡眠相後退症候群という所謂時差ぼけになることもあります。時差ぼけなら午睡を我慢して早寝早起きを心がければ多くの場合1、2日でよくなりますが、成長期の子どもの場合には、それでも朝を中心とした体調不良が続く事がよくあります。この原因として多いのが起立性調節障害です。

 人は立ち上がると血液が足の方に貯まりやすくなり、頭の方は血圧が低くなります。これを防ぐために自律神経が下半身の血管を収縮させたり心臓の動き良くしたりして、脳や全身の血圧や血流を維持します。ところが起立性調節障害では、この調整がうまく働かず、立ちくらみやふらつきが起こってきます。朝起床しても自律神経が就寝モードから活動モードにうまく切り替わらず、頭痛や腹痛などの症状がでてきます。
 急速に体が大きくなる成長期の子どもは自律神経の日内リズムが乱れやすく、起立性調節障害の頻度は5~10%ととても高いものです。起立性調節障害の子どもは朝起きても活動モードにならず頭痛腹痛ふらつき立ちくらみなどの症状を呈し疲れやすく、夜になっても就寝モードに切り替わらず深夜になっても元気だったり寝付きが悪かったりします。

 治療の第一は規則正しい生活リズムの回復と十分な水分塩分の摂取です。そして起立性調節障害はさまざまな精神的ストレスで悪化することが知られており、子どもの訴えにたいして周囲の大人が十分理解し応えられないことが悪化の要因になることも日常の診療でよく見受けられます。

 午前中調子悪くて学校に行きたがらないのに夜は元気になると、親の目線からは病気とは思えないかもしれません。しかし仮病や怠け甘えではなく、身体症状を伴う起立性調節障害という病気であることも多く、それは周囲の大人の理解によって安心し症状軽減につながる事を知っておいてください。

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