医療トピックス
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禁煙の効果
2015年10月
近年たばこを吸う人の数は減少傾向にあるようですが、健康に良くないと知りつつもなかなかやめられない人はまだいらっしゃると思います。
そこで禁煙のメリットについてデータを基に考えてみましょう。
愛知医科大学などによる生活習慣と平均余命の研究で、喫煙者と非喫煙者の平均余命を比べると、40 歳男性では、喫煙者40.1年に対して非喫煙者44.2 年、同じく40 歳女性では、喫煙者44.9 年に対して非喫煙者49.7 年と、たばこを吸わない人の方が4~5年ほど余命が長いという報告があります。
これは、喫煙者には酷な内容ですが、実は今からでも禁煙をすれば何とかなるとしたら、あなたはどうしますか?
喫煙による病気としては肺がんが最もよく知られていると思います。
国立がん研究センターによる報告では、肺がんの中でも特にたばこの影響を受けやすいタイプの肺がんに絞って比べると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では 12.7 倍、女性では 17.5 倍と高い確率で肺がんにかかりやすいという結果が出ています。
その一方で、禁煙すれば5年で発がんの危険度がそれまでの半分になり、10 年禁煙を続けると、吸わない人と同程度にまで危険度を下げられるという報告もあります。
また、喫煙により危険性が高まる病気の一つに、心筋梗塞も挙げられます。
心筋梗塞に対しても、やはり禁煙は効果的です。
米国の調査では、禁煙して2年で心筋梗塞の危険度は喫煙者の半分に、5年経つと非喫煙者とほぼ同じくらいまで低下したという報告があります。
国内の研究でも、2年以上禁煙した人は、たばこを吸い続ける人に比べて、心筋梗塞の危険度が半分以下になることが分かっています。
禁煙することでこれまで吸ってきたたばこによるダメージを回復することは可能です。
今から、禁煙を始めてみませんか。