医療トピックス

区民の皆様にその時期にマッチした情報をお知らせします。

トピックス一覧へ

不眠症

2015年7月

 細かく言うと、不眠症には①狭義の不眠症と、②他の病気の症状としての不眠など、原因がはっきりしているものがあり、続発性不眠症とか二次性不眠症と言われます。うつ病や統合失調症などの精神疾患による不眠がその代表で、また薬物の影響として不眠が見られる場合もあります。
 ③「不眠症」には分類されませんが、1日24時間のリズムがうまく取れず、結果として望ましい時間に眠ること・起きることができない病気もあります。その他睡眠時無呼吸症候群なども一般に知られるようになってきました。これらも「不眠症」とは呼びませんが重要な睡眠のトラブルです。

 若い人の睡眠の悩みは大抵②か③であり、残念ながらこれらは医療の手助けが必要です。

 ここでのテーマは①の狭義の不眠症です。つまり特に原因がないのに眠れないという一般的な不眠です。

 さて睡眠についてはいくつかの誤解があります。
一つ、8時間眠るのが望ましい・一つ、早寝早起きが大切である・一つ、寝床に横たわっているだけでも睡眠と同じような効果がある。

 いずれも間違いです。年齢とともに睡眠時間はだんだん短くなってゆくものであり、60歳代では平均6時間ちょっと、70代ではそれ以下です。
 さらに個人差がありますから、5時間しか眠れないからと言って心配する必要は全くありません。日中、眠気のために活動が障害されるということがなければそれでよいのです。
 また夜、することもないと「早寝早起きが良い」とばかりに早く床に就こうとします。齢をとると早く眠くはなるのですが、あまり早く寝てしまうと深夜に起きてしまいます。そこで、もう眠れないからと睡眠薬を求める方もいます。
 加えて3つ目の、横になっているだけでも睡眠と同じ効果がある、という誤解のために、長く床に入っています。すると横になっていながら覚醒している時間が長くなり、不眠への不安がますます強くなりがちです。その時浅いレベルの睡眠があると、翌日の睡眠に影響します。「床上時間」と「睡眠時間」はできるだけ差がない方がよいのです。
 ですから、眠れない人の睡眠のコツは「遅寝・早起き」です。どうせ眠れないなら眠くなるまで床に就かない、目が覚めたら起き上がる。これが翌日以降の睡眠をよくしてくれます。「遅くに寝なさい」というと「その時間まで何をして過ごせばよいのですか!?」と不満げな方も多いのですが、これは生活習慣ですからやがて慣れてゆきます。

 他に睡眠に良いことは、朝、日の光を浴びること。これによって夜に睡眠誘発物質が体から分泌されます。
 案外大切なのはお風呂です。体温が下がってくる頃に眠くなりますので、夜ゆっくりお風呂に入り一旦体温を上げることは大切です(寝る直前ではありません)。
その他は適度な運動や規則正しい生活など、メタボ対策などでも言われる一般的なことです。

 それでもダメなときには医療にかかることになりますが、病院に行く前に以上のことはやってみる価値があります。
 なお厚生労働省から「睡眠障害に対する12の指針」というのが出されており、簡単にネットで調べることができます。

訪問看護ステーション職員募集

「まちの保健室」各種測定&健康相談

新規開業案内

医療情報提供&逆紹介MAP

会員専用ページ

ページトップへ