医療トピックス

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熱帯地方の感染症に注意しましょう

2014年11月

 最近の都内でのデング熱の発生や西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行など、聞きなれない感染症がマスコミで話題に上ることが多くなりました。また2013年にはマダニに咬まれて発症する重傷熱性血小板減少症候群(SFTS)という感染症が話題になりましたが、これは2011年に中国で流行した感染症です。
 これらの聞きなれない感染症はおもに熱帯地方に以前から見られたものですが、交通網の発達による人の往来の増加、また温暖化による日本の気象の亜熱帯化などにより日本国内でも現実のものとなりつつあります。 熱帯でみられる注意の必要なおもな感染症には次のようなものがあります。

蚊に刺されて感染するもの
1、マラリア 2、デング熱 3、西ナイル熱 4、黄熱病
黄熱病はワクチンが有りますので感染の危険性のある地域に行くときは予防接種が原則です。それ以外の病気は蚊に刺されないようにすることが大切です。最も多いのはマラリアですが、西ナイル熱は米国でも感染しますので注意してください。

食べ物から感染するもの
1、腸チフス 2、コレラ 3、赤痢
これらの病気は以前日本でも見られましたが、衛生環境の改善でほとんど無くなりました。しかし発展途上国においてはまだまだ多い状態です。生もの、生水、氷、果物、屋台の食事、不潔な食器などが感染機会となりますので注意が必要です。

土、河水、泥などの環境から感染するもの
1、レプトスピラ症(ワイル病) 2、メリオイドーシス
河、沼、水田などで感染します。レプトスピラ症は沖縄でも感染し、またメリオイドーシスは北オーストラリアやタイに多く見られます。肺炎や敗血症になる怖い病気ですので注意してください。

患者さんや感染動物との接触により感染するもの
1、エボラ出血熱 2、中東呼吸器症候群(MERS)
海外旅行などで患者さんと接触する機会はほとんど無いと考えますが、エボラ出血熱は西および中央アフリカ、MERSは中東に旅行する場合に注意してください。尚、エボラ出血熱はオオコウモリ、MERSはヒトコブラクダが原因ウイルスを持っています。

 今年は年末年始休暇が長く海外旅行へ出かける方も多いと思います。海外旅行から1~2ヶ月以内の発熱・下痢・咳などが見られた時は必ず係りつけ医を受診してください。また、その時は旅行日時、渡航先、蚊に刺されたかどうかなどを必ずお話ください。

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