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サンスクリーンで上手に防ごう紫外線

2018年6月

 梅雨が明ければ強い日差しの降りそそぐ夏になります。
 日光、とりわけ紫外線はカルシウムの吸収に欠かすことのできないビタミンDの合成を活性化するなど私たちには大切ですが、同時に紫外線には悪い面もたくさんあります。一度に大量の紫外線を浴びるとヤケド=日焼け(サンバーン)を起こし、少量でも長期にわたって日光を浴び続けると、シミやシワ、良性・悪性腫瘍の発生など光老化の原因となります。皮膚の免疫反応も紫外線によって抑制される一方で、光線過敏の原因も多くは紫外線です。
 ところで、「UVケア」や「UV対策」などのワードが盛んに使われますが、このUVこそがultraviolet rays=紫外線です。紫外線は波長の長い方からUVA、UVB、UVCの3つに分けられます。波長が短いほど傷害性が強く、最も短いUVCは殺菌灯などで使われますが、自然界ではオゾン層でほとんど吸収され地上には届きません。反対に波長が長いほど深部に到達し、皮膚ガンの発生には遺伝子に直接作用して傷つけるUVBの影響が強いのですが、より深部に到達するUVAも無視できません。日焼けに対する影響もUVBはUVAに比べ600から1000倍強いのですが、日光にはUVAの方が大量に含まれているため、その責任割合はUVB:7~8割、UVA:2~3割と見積られています。
 それでは、紫外線から皮膚を守るにはどうしたら良いのでしょう?日傘やつばのある帽子、長袖・長ズボンなどは確かに有効ですが、煩わしい、暑いなど実用的ではない面もあります。そこで登場するのが日焼け止め(サンスクリーン)です。
 サンスクリーンは主要成分に紫外線散乱剤と吸収剤を単独あるいは組み合せて使用します。散乱剤は、酸化チタンや酸化亜鉛などで主に乱反射により紫外線を遮断し、UVBからUVA領域まで広くカバーします。以前は塗ると白くなる製品が多かったのですが、改良の結果、使いやすい製品も増えています。吸収剤はUVBをよく吸収しますが、稀にかぶれを起こすこともあり、かゆみや赤みが生じたら吸収剤不使用、ノンケミカルなどと表示される散乱剤だけの製品を使って下さい。
 サンスクリーンの性能表示にはSPF(Sun Protection Factor)が用いられます。これは、UVBに対しての指標で、例えば日差しの下に10分間いると翌日に赤みが出る人が、SPF30のサンスクリーンを使用するとその時間は30倍延長し、10 x 30 = 300分 = 5時間日光に当たってはじめて赤みが出ることになります。一般的にはSPF50が最高で、それ以上では実際的な意味がなくなるため、SPF50以上では単にSPF50+と表示されます。一方、UVAに対しては、PA(Protection Grade of UVA)という表示が用いられ、+~++++の4段階で表示されます。
 実際の使用ですが、日常生活では光老化予防にSPF5、PA+、軽い屋外活動ではサンバーン予防にはSPF10、PA++、海水浴、晴天時のスポーツではSPF20、PA+++、真夏、長時間の屋外活動ではSPF 30以上、PA++++の使用が目安となります。ただ、いかに数値の高いサンスクリーンを使用しても塗る量が少なければ十分な効果が得られません。SPFやPAの値は、1㎠あたりに2mgのサンスクリーンを塗って調べていますが、実際の使用では2/3程度しか塗られず、これでは効果も半分程度しか得られません。顔全体に対して真珠2玉分位が目安です。水泳や汗、顔に触れる事でとれますので、適宜塗り直しも必要です。顔はもちろんのこと、首、うなじ、耳たぶ、胸、手の甲なども忘れずに。
 東京での紫外線量は7、8月をピークに4月から9月頃まで多くなります。日焼けや光老化の防止には、日傘や帽子、そして最後の砦としてサンスクリーンを上手に使いましょう。

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