医療トピックス

区民の皆様にその時期にマッチした情報をお知らせします。

トピックス一覧へ

ジカ熱

2016年4月

 妊娠の可能性のある人は、リオデジャネイロオリンピックに行かない方がよいということですが、どうしてですか?

 今、ブラジル、コロンビアを含む南アメリカ大陸ではジカ熱が流行しています。ジカ熱はヤブカ属の蚊によって媒介されるジカウイルスによる感染症です。感染してから(ウイルスを持つ蚊に刺されてから)3~12日目に、発熱(38.5℃を超える高熱は比較的まれ)、発疹、関節痛・関節炎、結膜充血が半数以上の症例に認められ、筋肉痛・頭痛(45%)、その他にめまい、下痢、腹痛、嘔吐、便秘、食欲不振などをきたす場合もあります。症状は一昨年に日本でも発生したデング熱に似ていますが、それより軽いとされており、約8割の人は感染しても症状が現れません。

 しかし、ブラジルでは妊婦がジカウイルスに感染することで胎児が感染し、小頭症児が多発しています。小頭症児は、胎児または出産時の脳と頭蓋骨が月齢に比べて異常に小さく、脳にさまざまな障害が生じて発育が遅れ、場合によっては早期に死亡してしまうことがあります。またジカ熱にかかると、ギラン・バレー症候群とよばれる神経疾患を合併して、筋肉を動かす運動神経が障害され、手足に力が入らなくなったり、呼吸ができなくなることもあるとされています。

 予防するには、日中に蚊(ヤブカ)に刺されない工夫として、長袖服・長ズボンの着用、虫よけ薬の使用などが重要です。また、妊婦あるいは妊娠の可能性のある女性はジカ熱流行地への渡航を避けることが望ましいとされています。ジカ熱に感染した人との性交渉やキスでウイルスに感染したことが報告されているのでコンドームを使用するなどの注意も必要です。

 なお、ジカウイルスは、日本国内にもいるヒトスジシマカによっても媒介されるので、おととしのデング熱と同様に、海外で感染した人が帰国した際に蚊に刺されると、そのひとを発端者としたジカ熱の国内発生もありうるそうです。

訪問看護ステーション職員募集

「まちの保健室」各種測定&健康相談

新規開業案内

医療情報提供&逆紹介MAP

会員専用ページ

ページトップへ